公認会計士短答式試験 平成30年度第Ⅱ回 講評~第1回

受験生の皆様、短答式本試験受験、本当にお疲れ様でした。順次、講評と解答解説をupしていきたいと思います。

現在、全科目をupしています。


 監査論

出題分野は、例年に比べて実施論が減り報告論・横断的分野が増えているためか、監基報からの出題が少し減少したようです。深読みしすぎると判断に迷ってしまう文章もありましたが、4つの文章中正誤がハッキリ分かる文章が2つから3つは含まれていることが多く、結果として正しい選択肢が選べた問題が13問ありました。詳細は解答解説でご確認下さい。

例年より易しい印象があり、合格ラインは77.5点位を考えています。

監査総論・制度論

ここ最近、連続して出題されている監査の歴史ですが、今回は「年号及び年代は、正誤判断の対象外とする。」との注意書きがつきました。もともと、こうした問では「年代は正しいものとして解きましょう。」とお伝えしていますが、より安心して解けたのではないでしょうか。内容としては、ウの連結特有の規定の有無が他の監査人の利用との関係で迷われたかもしれませんが、他の監査人は子会社の監査人に限定されません。過去に類題もあったので、過去問対策をされていた方は迷わなかったでしょう。

制度論からは3問が出題されました。問題3と4はエの文章が細かな内容で正誤がつきにくかったと思いますが、ア~ウの正誤がハッキリ分かるので正答できたと思います。難しかったのは問題6です。会社法の問題は企業法の知識もフル活用して解くものですが、それでも指名委員会等設置会社の内容ばかりで対応しきれなかったのではないでしょうか。

保証業務

定番となった内部統制監査ですが、今回は少し論点を外してきていて難易度が高めでした。保証業務の概念的枠組みは、抽象的すぎて苦手とする方が多いようですが、出題パターンが決まっていて、今回もそのパターンからの問ばかりでした。過去問対策ができていれば正答できたはずです。

実施論

問題11は「一般基準」の問題としながらも、エは法令違反等事実の申出を内容としていますが、ほぼ実施論の内容でした。リスク・アプローチも監査計画も、実施論はいずれも易しい問題ですからここは正答できたと思います。実施論は受験生の方はよく勉強されている分野ですから、そういった意味でも確実に得点していきたいところです。

報告論

意見表明・追記情報・比較情報・後発事象等とフルラインナップに近い出題でした。比較情報については、前年度の監査の状況に応じて場合分けして整理できていたかどうかがポイントでした。後発事象等の監査は、アイは内容が細かく、事後判明事実は状況として稀なケースを内容としており、いずれにしても難しかったでしょう。

横断的論点

最近、定番化している継続企業の前提ですが、今回は内容も定番のものばかりで迷うことなく正誤判定できたでしょう。不正リスク対応基準は、不正による重要な虚偽表示を示唆する状況、不正による重要な虚偽の表示の疑義が存在、という特有の表現とその内容を整理できていたかがポイントでした。


以上です。