平成30年度 公認会計士論文式試験 合格発表調べ

公認会計士論文式試験の合格者が発表されました。昨年度に引き続き、受験者数の増加に伴い合格者も増加しています。

年次 2018年 2017年
a.受験者数 *1 3,312人 2,971人
b.合格者数 1,305人 1,231人
c.合格率(=b÷a×100) 39.4% 41.4%
d.免除資格取得者数 449人 422人

*1:答案提出者数を意味します。

詳しくは公認会計士・監査審査会のHPへ。

2016年以前の合格概要は公認会計士試験の概要で紹介しています。


受験者の増加に伴って全体としてボリュームが大きくなっていますが、受験者側は10%増に対して合格者側は5%程度の増加に留まっていますから、難易度は微増しているといえます。それでも、短答式試験を通した合格率は11%と安定していますし、かつて合格率が7%程度で一括合格のみであった頃と比較すると、まだまだ合格しやすい状況ではあると思います。試験制度の度重なる改正を経て、ようやく安定した試験となってきていることも望ましいことですよね。

今回の試験で特徴的なこととして、司法試験合格者等の受験が例年150人程度であったのが183人に増加しています。司法試験合格者等は短答式試験と論文式試験の企業法・選択科目(民法)が免除になりますから、かなり有利といえます。ロースクールの導入など司法試験制度も大きな変遷があった中で、プラスαの能力を身に着けたいとのニーズがあるのかもしれないですね。

科目合格者数・率も安定していますが、前回(55.7%)と比較すると今回の科目合格得点比率の56%は少し高めです。1%に180人ほども並ぶ分布ですから数十人は違いが出てくる%です。受講生の方々の声を聴くと、科目合格してもその得意科目で全体の偏差値を引き上げたいとの意向から、敢えて免除科目も勉強を続けることもあるようですから、科目合格者の得意科目の得点力は上昇する傾向があるのかもしれません。免除の恩恵を受けるか、得意科目として全体を引っ張らせるかは各人の戦略によるとは思いますが、得点にムラがでやすい科目は免除で、相対的に学習時間が少なめですむ科目は得点源にする、という方針の立て方もひとつ目安にしてみてください。

以上です。