公認会計士試験 試験科目案内

公認会計士試験には短答式試験と論文式試験があり、短答式試験の試験科目4科目に2科目が追加されて論文式試験の試験科目となります。各科目の内容と出題傾向について紹介していきます。


会計学(財務会計論)

商業簿記と財務諸表論が組み合わさった科目です。財務諸表(損益計算書・貸借対照表・キャッシュ・フロー計算書etc)を作成するための会計処理について、計算問題と理論問題が出題されます。

理論問題のウェイトが大きいところが公認会計士試験の特徴で、短答式試験は5割、論文式試験は6~7割が理論問題としての出題です。

  短答式試験

個別論点から22問(計算問題と理論問題)、連結会計の総合問題から4問(計算問題)の出題が定着しています。

個別論点の計算問題は、特定の勘定の金額またはその組み合わせを問うタイプの問題で、多少難易度のムラはあるものの基本的な会計処理を問うことが多く、合格者であれば数分で解答できます。

理論問題は会計基準からの正誤問題がほとんどで、ほぼ知識があるか否かで正否が決まります。総合問題も特定の勘定の金額を求めさせる問題で、論文式試験ほどは特殊な処理は要求されないようです。

  論文式試験

計算問題と理論問題の両方が、場合によっては組み合わせられて出題されます。大問の3問目は会話文の空欄や下線部に絡めて計算や論述を要求する形式が定番化しています。

計算問題も決算整理後残高試算表や貸借対照表・損益計算書を作成させるような問題はほぼなく、財務諸表上の特定勘定の金額をいくつか求めさせる出題形式です。

一定の計算結果に対して理論的な根拠を記述させる、現行の会計基準に限らない一定の理論に基づく計算を要求するといった出題もあるため、単に会計処理の仕方を覚えているだけでは対応できません。また、会計処理を規定している会計基準の変遷に絡めて、現行の会計基準では採用されなかった会計処理について論拠や反論も問われる等、受験生の理解の程度が試されます。

ただし、得点比率は52%程度ですから、素点ベースなら半分もいらない可能性すらあり、合格者にもそれほどハイレベルな知識は求められない実態があるようです。