会計学(管理会計論)

工業簿記・原価計算と管理会計論が組み合わさった科目です。製造業における財務諸表作成上必要な原価計算方法、管理会計上必要な原価差異・利益差異を求めさせる等の計算問題と、選択適用される原価計算方法の長所・短所や差異分析の結果の評価のような理論問題が出題されます。

管理会計の分野は選択科目の経営学と重複する部分も多く、知識を2科目で有効利用できます。

理論問題のウェイトは、短答式試験・論文式試験ともに5割程度でしょう。

  短答式試験

原価計算と管理会計の分野から特定の分野への偏りなく出題されます。計算問題は数分で解くことを想定した問題が多いですが、管理会計論の問題には、計算構造を知っていればショートカットで解答にたどり着ける問題がある一方で、どうしても10分以上必要な問題もあり、その見極めと取捨選択が必要となってきます。

理論問題は管理会計論の分野でも知識の有無を問う問題がほとんどです。

  論文式試験

大問2問がそれぞれ問題2つに分かれていて、実質4分野からの出題が定着しています。

いずれも計算と理論の複合問題になっており、出題された工場の状況に応じた原価計算方法を選択させる、原価や利益の差異分析を行いその結果を管理者の立場から評価する、設備投資の経済計算を行い投資の是非を問う、といった出題がなされます。

多くの問題には一貫した出題意図があり、これを汲み取る能力も要求されます。「管理会計論はむしろ理論科目だ」という声がよく聞かれるのもこうした出題傾向があるからでしょう。

管理会計論は、一旦コツをつかむと学習時間を圧縮でき、得意科目とする受験生が多いせいか、素点ベースの合格ラインは6~7割と他の科目よりも高めといわれています。