公認会計士 平成31年度短答式試験第Ⅱ回~合格発表調べ

平成31年度(令和が年度)の短答式試験第Ⅱ回の合格発表がありましたので、本年度の結果分析をしたいと思います。

全体の傾向

前年度と比較した属人ベースでの試験結果は以下の通りでした。全体の合格率が3%下がっているのに加えて、特に第Ⅱ回の合格者数の少なさからみて、第Ⅱ回は厳しい結果となったことがうかがえます。過去2年度の短答式試験で合格して論文式試験を受験できる受験者数が前年度に比べて350人程も多かったことも、一つの要因かもしれません。

平成31年度 平成30年度
①願書提出者数 12,532人 11,742人
②答案提出者数 7,975人 8,020人
③合格者数(合格率:③÷②×100) 1,806人(22.6%) 2,065人(25.7%)
うち第Ⅰ回合格者 1,097人 1,090人
うち第Ⅱ回合格者 709人 975人
論文式試験受験予定者数(免除者等を含む) 3,792人 3,678人

 

問題の難易度等

今回の第Ⅱ回の合格得点率は63%で第Ⅰ回と同じになっています。平均得点比率も大きく変化がありません(第Ⅰ回44.2%、第Ⅱ回42.6%)。前年度は合格得点率が第Ⅰ回が70%、第Ⅱ回が64%、平均得点比率は第Ⅰ回49.7%、第Ⅱ回45.9%でした。第Ⅰ回の受験者と第Ⅱ回の受験者との間で不公平がない方が望ましいはずなので、今回の試験はその点では前年より良かったようです。

各科目の平均得点率をみると、企業法の平均が高いのは例年のことですが、今回目立ったのは管理会計論が難しかったことです。合格者数が少ない回は計算科目、通常は財務会計論の難易度が高いことが多いのですが、今回は管理会計論の特に計算が難しかったようです。管理会計論は受験生の間で得意・不得意の差が大きいので、管理会計論を得意とする受験生には有利な試験だったといえるでしょう。

計算と理論の両方の要素がある財務会計論や管理会計論は、短答式試験で計算力を、論文式試験では理論的な力を試される傾向があると思うので、論文式試験にむけて理論対策にしっかり取り組むように心がけてください。

最後に

今回の合格者は例年より多い短答式試験免除者と論文式試験に臨むことになります。準備期間や租税法や選択科目のことを考えるとネガティブになってしまいそうですが、そこは一番勢いのある合格者だ!と自身を鼓舞して、ここからの2ヶ月強を集中して勉強に取り組んでください。

以上です。