公認会計士論文式試験~合格発表調べ~
平成31年(令和元年)度の合格発表がありました。見事、合格を勝ち取った受験生の皆様、おめでとうございます。
以下のように、合格率等の傾向に前年に比べて大きな変化はないようです。大きな変化のあったところとしては、実質受験者数は2~3%しか増加していないにもかかわらず(実質合格率にも変化はありません)、科目合格者数が10%も増加しています。科目毎に出題の難易度に差があったようにも思えませんから、受験生の意識として得意科目を伸ばそうとする傾向があるのでしょうか。どちらかというと、全科目一括合格を目指して苦手科目をなくす学習法が推奨されている試験ですが、科目合格しながら3年かけて合格する方法も選択されているのかもしれませんね。
2019年度 | 2018年度 | 2017年度 | |
a.受験者数*1 | 3,397人 | 3,312人 | 2,971人 |
b.合格者数 | 1,337人 | 1,305人 | 1,231人 |
c.合格率(=b÷a×100) | 39.4% | 39.4% | 41.4% |
d.免除資格取得者数 | 487人 | 449人 | 422人 |
*1:答案提出者数を意味します。
2016年以前の合格概要は公認会計士試験の概要で紹介しています。
詳しくは公認会計士・監査審査会のHPをご覧ください。
前回、司法試験合格者の増加に注目したのですが、今回はそのデータが提供されませんでした。そこで、今回は学歴別の合格者に注目してみました。受験者数の約半数を占めるのは「大学卒業」のグループで、合格者構成比も41%と圧倒的ですが、合格率に注目してみると、「大学院在学・大学在学」のグループが飛び抜けています(論文式試験受験者数1,004人に対して合格者542人(合格率54.0%))。やはり、受験に専念できるところに強みがあるのでしょう。「大学卒業」のグループには社会人として働きながら受験している方たちも含まれるでしょうから、受験専念とはいえませんよね。最近は在学中の合格を目指して早い時期から受験を開始し、在学中に合格あるいは合格の目処がつかなければ、新卒者として一般企業に就職する選択肢も持っておくという堅実な受験生が増えていることを反映している気がします。
以上です。