公認会計士論文式試験 平成29年度 講評~第5回

 問題4:退職給付会計

難しい問題でした。大方の受験生がパスしたのではないでしょうか。

問1:数理計算上の差異の費用処理年数の変更

適用指針からの出題で、数理計算上の差異の費用処理年数の変更が、会計方針の変更なのか会計上の見積りの変更なのかの判断基準が問われています。

費用処理年数を平均残存勤務期間内の一定年数としていた上で、会計事実の変更に伴う変更であれば会計上の見積りの変更、その他の合理的理由があれば会計方針の変更と判断します。

平均残存勤務期間自体が、会計上の見積りを伴って算定される点に気がつけたなら、少し書けたかもしれませんが、無理しなくとも…という問題でした。

問2:基礎率の変更を理由とした費用処理年数の変更の是非

基礎率の変更の理由が長期国債等の利回りの低下によるとされるので、これと平均残存勤務期間か関連しないことが指摘できます。

問1の解答を受けて、会計事実の変更を伴わないことも指摘できますが、これは難しかったと思います。