日商簿記~合格発表調べ

日商簿記検定試験は商工会議所単位で実施されるため、合格発表の期日も商工会議所毎に異なりますが、そろそろ第150回(2018年11月実施)の発表が始まっているようです。

これを機に、過去の受験者状況をまとめてご紹介したいと思います。

日商簿記1級

驚くほど合格率に変動があるのが日商簿記1級です。例えば公認会計士試験では、試験合格後に実務補習や実務経験を経て初めて資格登録ができるため、合格者数を政策的に安定させる必要がありますが、日商簿記試験の場合はシンプルに「合格点を獲得できた者が合格者」となっているのでしょう。各回の問題の難易度や受験者の学習度合いをそのまま反映しているのだろうなあ、という印象を受けます。

全国集計はまだのようですが、母数の大きい東京都23区内・横浜市内の結果を確認したところ、第150回の合格率は8.0%でした。前回・前々回の合格率は例年に比べてイレギュラーな水準でしたが、今回は例年並になったようですね。

回(実施日)※2 ①受験者数 ②実受験者数 ③合格者数 合格率(=③÷②×100)
149回(2018.6.10.) 9,429人 7,501人 1,007人 13.4%
147回(2017.11.19.) 10,675人 8,286人 487人 5.9%
146回(2017.6.11.) 9,064人 7,103人 626人 8.8%
144回(2016.11.20.) 11,062人 8,416人 783人 9.3%
143回(2016.6.12.) 9,845人 7,792人 846人 10.9%
141回(2015.11.15.) 11,791人 9,087人 873人 9.6%
140回(2015.6.14.) 10,361人 8,108人 716人 8.8%

日本商工会議所の簿記受験者データより転載、2級も同様

※1 受験者数と実受験者数に差があるのは、願書を提出しても実際には受験しなかった、すべての答案を提出しなかった等の事情があるからと考えます。

※2 回数が連続していないのは、日商簿記2級3級は年間3回(2月、6月、11月)実施されるのに対して、日商簿記1級は年間2回の実施(6月、11月)であるためです。

日商簿記2級

日商簿記2級も合格率の変動が激しいですね。受験者数が数万人規模であるにもかかわらず、この変動率は驚きです。日商簿記2級といえば、商業高校で積極的に受験を推進しているイメージがあったのですが、(もちろん各学校の方針によると思いますが)現在商業高校に通学している方に伺ったところ、2級の受験は希望者のみとなっているそうで、意外と受験する方は多くなく、合格率も回によって大きく変動するそうです。資格系専門学校の生徒達のように受験対策をしっかりと行って受験するばかりではないことが、こうした合格率の変動原因の一つになっているのかもしれません。因みに3級の受験者数は10万人規模で、合格率は40~50%と比較的安定しています。

 

回(実施日) ①受験者数 ②実受験者数 ③合格者数 ④合格率(=③÷②×100)
150回(2018.11.18.) 64,838人 49,516人 7,275人 14.7%
149回(2018.6.10.) 52,694人 38,352人 5,964人 15.6%
148回(2018.2.25.) 65,560人 48,533人 14,384人 29.6%
147回(2017.11.19.) 63,757人 47,917人 10,171人 21.2%
146回(2017.6.11.) 58,359人 43.767人 20,790人 47.5%
145回(2017.2.26.) 78,137人 60,238人 15,075人 25.0%
144回(2016.11.20.) 72,408人 56,530人 7,588人 13.4%
143回(2016.6.12.) 58,198人 44,364人 11,424人 25.8%

 

2019年2月実施の第151回2級.3級試験は、既に申し込みが始まっていますから、受験をお考えの方はお近くの商工会議所のHP等をご確認ください。