日商2級とFINの教材
1. 試験範囲の変更内容と、テキストへの対応状況のまとめ
(1) 日商2級の試験範囲から除外された論点とテキストへの対応状況
・ 本支店会計の内部利益控除(上級テキストへ移行)
・ 本支店会計の未達取引(上級テキストへ移行)
・ 手形に係る偶発債務の会計処理(上級テキストへ移行)
・ 電子記録債権・債務(3級テキストへ移行、一部は新2級テキストにも反映)
・ 為替手形(上級テキストへ移行)
(2) 日商2級の試験範囲に含められた論点とテキストへの対応状況
・ 税効果会計(新2級テキストへ反映)
・ 有価証券(新2級テキストへ反映)
・ 連結会計におけるアップストリームの処理(従来から2級テキスト)
2. テキストの改訂を終えて
日商では、2~3年かけて試験範囲の改訂を行いました。
大きな変化としては、2級で連結会計と税効果会計を取り扱うことになった点と、以下の論点が日商の試験範囲から除外された点です。
(除外論点)
・ 返品
・ 特殊仕訳帳
・ 5伝票制
・ 手形に係る偶発債務(評価勘定法・対照勘定法)
・ 本支店会計における未達処理
・ 為替手形
新たに2級の範囲に含められた連結会計と税効果会計については、2級の性格に合わないにしろ、試験範囲となった以上、受験するなら学習するほかありません。
問題はむしろ、全ての級から除外された論点が、公認会計士や税理士の試験には出題されることです。日商1級の全範囲を学習しても、公認会計士の短答式試験や税理士の簿記論の受験にあたり、基本的な論点に穴が開いている状況は、受験生ファーストではありません。そこで、FINでは、上記(除外論点)についても日商1級のテキストに含めることにしています。
例えば、日商1級の合格者を雇用した企業の担当者は、合格者が返品の会計処理すら知らないことに愕然とするでしょうし、特殊仕訳帳の考え方は、会計システムの構築にあたり必要です。日商1級まで駒を進める方は、日商の試験範囲に縛られることなく、しっかりとした会計人になることを目指しましょう。
なお、今回の改正で2級に移行した税効果会計と連結会計については、数年前に2級に合格した受験生は未学習です。こういった受験生にも安心して学習して頂けるよう、日商1級のテキストでは、税効果会計と連結会計をゼロから講義しています。
(3・2級の新テキスト・問題集の出荷は既に開始していますが、ホームページ上の2級無料講座への反映は2019年5月中旬以降を予定しています。)