最近の論文式本試験② ~ 法人税の計算(CPA)
最近の論文式本試験問題を振り返ってみようと思います。
第2回 ~ 租税法(CPA) ~ 法人税の計算
最近では、会計学(午後)よりも問題ページ数が多くなり、その中でも、最もボリュームがあるのが法人税の計算です。
2006年の租税法の試験開始以来、出題され続けているのは、「減価償却費」と「租税公課」です。そして、ここ最近、必ず出題されているのが「受取配当の益金不算入」です。「減価償却費」、「租税公課」、「受取配当の益金不算入」の3つの論点を完答できれば、法人税計算の最低ラインには到達できますが、完答は難しいので、他の分野でも得点できるように準備しておきたいところです。ただ、欲を出しすぎると、所得税や消費税の計算に回せる時間が減ってしまうので、主要な論点と2019年度に出題可能性の高い論点に絞って学習するのが効率的です。
2018年
計算の解答箇所が60箇所だったので、1箇所1点です。計算への配点は、法人税29点、所得税15点、消費税16点でした。
(第二問)問題1
出題論点と配点は次のとおりです。
問1
・受取配当の益金不算入: 7点
・外国税額控除: 1点
・減価償却費: 4点
・給与: 3点
・租税公課: 4点
・交際費: 2点
・寄附金: 2点
・繰越欠損金: 1点
問2
・貸倒期引当金: 5点
2017年
計算への配点は、法人税30点、所得税15点、消費税15点でした。
(第二問)問題1
出題論点と配点は次のとおりです。
問1
・租税公課: 8点
・受取配当の益金不算入: 5点
・減価償却費: 4点
・引当金: 2点
・有価証券の評価: 2点
・給与: 2点
・資産の廃棄: 2点
問2
・グループ法人税制: 3点
問3
・繰越欠損金: 2点
2016年
計算への配点は、法人税30点、所得税15点、消費税15点でした。
(第二問)問題1
出題論点と配点は次のとおりです。
問1
・受取配当の益金不算入: 7点
・減価償却費: 4点
・給与: 1点
・交際費: 3点
・租税公課: 8点
・海外との取引: 1点
・特別控除: 1点
・別表5: 2点
問2
・留保金課税: 3点
先述した「減価償却費」、「租税公課」、「受取配当の益金不算入」の3つの論点は毎回出題されるだけでなく、配点も大きいですね。
この3年間での上記3論点への配点は、次のとおりです。
2018年: 15点/29点
2017点: 17点/30点
2016点: 19点/30点
この3論点だけで、消費税や所得税への配点と同等以上です。
あとは、給与、交際費、寄附金、資産の評価、グループ法人税制、貸倒引当金・貸倒損失、繰延資産あたりを中心に学習することになります。
FINでは、ここまでの論点を法人税Ⅰのテキストに掲載しています。
この他に、法人税法の論点としては、外国税額控除、圧縮記帳、研究開発税制、青色欠損金の繰越控除、留保金課税、組織再編税制、別表5の記載方法などがあります。これらは法人税Ⅱのテキストに収録していますが、出題傾向や配点を考慮すると、法人税Ⅰの範囲を確りと学習し、時間的余裕があれば、法人税Ⅱの学習範囲にまで手を広げていくのが効率的です。