第150回(2018年11月) 日商1級 講評 ~ 工業簿記・原価計算
本試験、お疲れさまでした。ここ最近の中では、最も解きやすかったです。1時間で完答できた方も多かったと思います。
工業簿記
論点としては、材料元帳、製品検査点の通過量の把握、予定配賦による活動基準原価計算、正常仕損費の把握と関係先への負担計算です。
材料元帳については、材料副費や先入先出法の処理を焦らず、丁寧にやれば確実に得点できたはずです。こういったところで、取りこぼしてしまうと、なかなか合格できません。
製品検査点の通過量の把握も、標準原価計算で、「当期の仕損発生点通過量の把握」を色々なパターンで練習しているので、大丈夫だったと思います。この把握ができないと、中間品検査活動や完了品検査活動の活動原価を配分できないので、連鎖的に失点してしまい、合格点への到達が難しくなります。
資源ドライバーや活動ドライバーといった用語の意味も、丁寧に説明しているところです。
原価計算
予算編成の問題でした。
予算販売量→予算生産量→材料予定消費量→材料予定購入量の流れで解いていく典型的な予算編成の問題です。
全部原価計算を前提にしているので、「操業度差異の発生が予定されている」というのも、受験生としては準備しておくべき論点です。
高低点法は、縦軸の高いものと低いものを選択するのではなく、横軸の小さいものと大きいものを選択する点に注意してください。
全部原価計算と直接原価計算の営業利益の差額は、両原価計算の営業利益を計算した上で、ゼンチョクマッシュの計算公式でも再確認するようにしておけば、確実です。
もう一問は、差額分析でした。
問題文をよく読むと、「追加的な販売費は発生しない」となっているので、変動販売費は、純粋な変動費ではない、ということです。どこかで見たことのある問題パターンですが、気付かなかった方も多かったかもしれないです。
以上です。