公認会計士 平成31年度短答式試験第Ⅰ回~合格発表調べ

2018年12月に実施された平成31年度短答式試験第Ⅰ回の合格発表がありましたので、結果を分析していきたいと思います。

平成30年度 平成31年度
第Ⅰ回 第Ⅱ回 第Ⅰ回
a.答案提出者数 6,569人 5,346人 6,610人
b.合格者数 1,090人 975人 1,097人
c.実質合格率(=b÷a×100) 16.6% 18.2% 16.6%
合格得点率(得点) 70%(350点) 64%(320点) 63%(315点)
平均得点率(平均点) 49.7%(248.5点) 45.9%(229.5点) 44.2%(221点)

詳しい内容はこちらを → 公認会計士試験・監査審査会HP

第Ⅰ回結果分析

今回の合格率・合格者数は前年とほぼ同水準でした。それにもかかわらず合格得点率・平均点が低いので、例年に比べて難しかったのでしょう。とくに財務会計論の平均得点率は38.1%と他の科目に比して低く、第Ⅰ回としては特に難しかったようです。(第Ⅰ回より難易度が上がることの多い第Ⅱ回では、財務会計論の平均得点率が35%未満となることがあります。)固定資産の取得原価や繰延資産等の、いわゆる新基準以外からの出題の難易度が高かったので、受験生の手薄なところが突かれてしまい、普段は計算科目を得意としている受験生にも高得点が出しにくかったのかもしれません。

監査論の平均得点率は54.3%と、他の科目より高い水準で安定していて、受験生の方々がよく対策しているのがうかがえます。同じ理論科目でも、企業法は他の科目より平均得点率が高いことが多いのですが、今回は46.9%と例年に比べて低い水準でした。

第Ⅱ回に向けて

合格者の水準が平成30年度と同程度と考えるならば、第Ⅱ回の合格者数が厳しく絞られることはなさそうです。また、今回の平均得点率、特に財務会計論の難しさから考えても、次回の財務会計論・管理会計論は易しくなるかもしれませんね。

財務会計論は「収益認識に関する会計基準」が公表されていますし、今回の出題の傾向から考えて、いわゆる新基準以外の分野のウェイトをいつもより高めて学習した方が良さそうです。また監査論では、監査基準の改訂に伴って報告論のウェイトを高めて学習されると良いと思います。

以上です。

PS
2018年の短答式本試験は、4年前の開校以来、最も多くの方に合格して頂けました。
特に、他の大手専門学校からFINに乗り換えて、乗換え後1回目で合格した方が多かったです。
初学者だけでなく、受験者経験者の方にも、「計算問題集の解説動画で財務会計論の計算が効率的に学習できた。」などのご感想を頂いております。
受験生の方は、是非、次回の合格を目指し、頑張って下さい。