公認会計士短答式試験過去問分析~監査論①
令和6年度第1回短答式試験(2024年5月実施)に向けて、過去問の出題傾向を分析していきます。出題頻度の高さに応じてメリハリを付けて対策していきましょう。
監査論①は「監査総論」です。
出題頻度
監査論では2015年12月実施分以降は、4つの記述から正しい2つを選択する問題が主流の20問が出題されています。そのうち「監査総論」からは、大凡の傾向として問題1、時に問題2で財務諸表監査総論、問題11か12で監査の基準について出題されています。監査論は前半(問題1~10)が難しく後半(問題11~20)が易しい傾向にあるため、後半から解き始める受験生が多いようですが、いずれにしても「監査総論」から解き始めることになるはずですから、ここで気持ちよく解けると幸先が良いですね。出題頻度としては2問/20問と考えて良いでしょう。
頻出論点
2015年12月実施分以降の「監査総論」から出題された記述は約70です。監査基準の改訂や監査の歴史については別集計にしているので、これらも含めると+10~15くらいになります。この中から頻出論点ベスト3を紹介していきます。
① 監査の基準:30%
監査の基準からは、監査の基準の範囲と監査基準の性格から半分ずつ出題されています。監査の基準の範囲では、実務指針の範囲や不正リスク対応基準の適用が上場企業等の監査に限定される点等が頻出です。監査基準の性格は平成14年の監査基準改訂前文が出題元になっていることが多いので、よく読み込んでおきましょう。
② 二重責任の原則:21%
二重責任の原則から出題数には、監査実施の総括的な目的を含めています。二重責任の原則そのものからの出題が最も多く、監査が経営者の財務諸表作成責任を軽減しない旨も頻出です。
③監査の目的:19%
監査の目的には、適正性と準拠性や合理的保証についての出題が含まれます。一部類似の記述を「報告論」に別集計したにもかかわらず、適正性と準拠性に関する監査意見の表明にあたっての監査人の判断事項についての出題が最も多いので、しっかり覚えておきましょう。
以上です。参考にしてください。