公認会計士論文式試験 平成29年度 講評~第3回

第2問:財務論

今回の財務論は、第1問が比較的解きやすかったせいなのか、量は多かったですが、内容は標準的な問題でした。

 問題1:証券投資

よくある「証券Aと証券Bを組み合わせて」ではなく「ポートフォリオAとポートフォリオB、市場ポートフォリオを組合せて」という出題でしたが、基本的な考え方は同じなので、さほど困らずに解き進められたと思います。

問1:空欄補充問題

①②⑥は単純な加重平均の計算なので、解けたと思います。

③は、問2で求めた算定式に代入する必要があるので、問2次第でした。

⑤⑥⑦は一連の計算になっており、CAPMの証券市場線の式からポートフォリオA,Bの期待収益率を求め、β=0のポートフォリオの期待収益率を加重平均で求めます。問題の誘導があるので、CAPMの式さえ覚えていれば正解できたのではないでしょうか。

⑧はポートフォリオのリスクを市場リスクと非市場リスクに分解するもので、市場ポートフォリオの標準偏差にβを乗じるだけで求められます。

問2:式の完成

特定資産のβを相関係数を用いた式として定義する問題です。

この問題を解くには、共分散と相関係数の関係式を覚えている必要があり、覚えていた方は直ぐに解けたはずです。

問3:シャープレシオ

シャープレシオが最も大きいポートフォリオを選ばせる問題です。シャープレシオの算定式を覚えていた方は直ぐに選択できたと思います。