論文式試験への心構え~監査論

監査論では、第1問が理論問題、第2問が事例問題という出題形式が定番化しています。2018年は例外的に第1問も事例問題でしたが、理論問題+事例問題という形式が基本となることは間違いないと思います。

素点ベースの合格ボーダーは以下のように予想されています。

素点ベースでの合格ボーダー

2018年 2019年 2020年
34点/100点 37点/100点 36点/100点

答案のボリューム:小問数、答案用紙行数(第1問+第2問)

2018年 2019年 2020年
11問(6問+5問)

82行(40行+42行)

10問(5問+5問)

70行(34行+36行)

8問(4問+4問)

75行(37行+38行)

以上から、「素点ベースで40点あれば大健闘」ということが分かります。答案用紙のボリュームから判断すると、30行程度がしっかり記述できていれば良いことになります。ただし、小問毎の難易度の差が大きいこと、事例問題では論点を読み違えて見当違いな答案になるリスクがあることを考えると、自信のない答案も含めて40行程度は埋めておこう、と心構えをしておいてください。


出題分野と対応する監基報

2018年 2019年 2020年
第1問 継続企業の前提

570号.706号

試査、内部統制監査

200号.500号.501号

主体論、制度論

200号.品基報1号

第2問 不正

240号

リスク・アプローチ

240号.505号.540号

リスク・アプローチ、会計上の見積り

200号.540号

論文式試験の会場で配布される「法令基準等」がどの程度頼りになるかは気になるところかと思います。残念ながら「法令基準等」に収録されている監基報から転記するだけで答案になる場面はレアケースです。答案の参考になる監基報はあったとしても、項数まで検索する時間はないでしょう。使えるとしたら、各監基報のはじめの方の項数にあって検索しやすい「目的」「定義」のキーワードをど忘れしてしまった時でしょうか。逆に、はじめから監基報で検索するつもりの「目的」や「定義」は敢えて覚えないというスタンスならば、「法令基準等」は有用です。この場合には、監基報の号数とその内容の対応関係はおおよそ確認しておく必要があります。


最後に、監査論は特に論点ズレのリスクがあると指摘しましたが、模範解答とは異なる答案であっても筋が通っていれば配点を期待できる科目でもあります。監査の言葉で、冗長にならないように意識して、1行でも2行でも諦めずに書き残して来てください。

監査論の心構えは以上です。